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〒890-0056 鹿児島県鹿児島市下荒田4丁目14番33号-もくじ-
Q1.労働基準法は、どのような労働者を対象にしているのですか?
Q2.労働基準法に違反している労働条件でも、雇用契約を結んでしまえば大丈夫ですか?
Q3.採用する場合、明示するべき労働条件があると聞きました。
具体的にどのような労働条件を明示すればいいですか?
Q4.有期雇用で採用する予定があるのですが、注意すべき点はありますか?
Q5.雇用契約に「従業員が会社に損出を与えた場合は、損害賠償を請求します」と規定し
たいのですが?
Q6.従業員から「有給休暇が欲しい」と申し出があったのですが?
Q7.労働時間はどのように設定すればいいですか?
Q8.残業代はどのように設定すればいいですか?
Q9.会社の経営が苦しいので、従業員の給料を下げても大丈夫ですか?
Q10.従業員が給料を前借りしたいと申し出てきたのですが、前借りは可能ですか?
Q11.仕事が少ないので従業員を休ませたいのですが、問題ありませんか?
Q12.従業員を解雇したいのですが、どうすればいいですか?
Q13.就業規則は作成しなくても大丈夫ですか?
Q14.仕事中のケガは、従業員に自己負担させても大丈夫ですか?
Q15.労働基準監督署の立ち入り調査が、抜き打ちであると聞きました。本当ですか?
Q16.職場でどのような行動がセクハラになるのですか?
Q17.職場でどのような行動がパワハラになるのですか?
Q18.育児・介護休業を導入したいのですが?
A1.原則として、正社員やパート・アルバイトを問わず、全ての労働者に適用されます。しかし、例外として同居の親族のみを使用する場合などでは、労働基準法は適用されません。
A2.労働基準法は、労働者が仕事をするうえでの最低条件を定めたものです。法律の基準に達していない条件は、無効となります。
A3.労働者を採用する場合は、賃金や労働時間などの労働条件を明示しなければなりません。特に、以下の@〜Dに関しては文章で明示する必要があります。
【文章で明示するべき労働条件】
@契約期間と契約更新の有無
A就業場所と業務内容
B始業時間と就業時間、残業の有無、休憩時間や休日など
C賃金の決定・計算・支払方法。賃金締め日、支払時期
D退職や解雇に関する事項
【口頭で明示してもよい労働条件】
E昇給
F退職手当
G臨時に支払われる賃金(賞与など)
H労働者に負担させる食費や作業用品など
I安全衛生
J職業訓練
K災害補償、業務外の傷病扶助
L表彰、制裁
M休職
A4.原則として、3年を超える労働契約を結ぶことはできません。ただし、一部の専門的な労働者や、満60歳以上の労働者と労働契約を結ぶ場合は、5年の上限で労働契約を結ぶことができます。なお、働き始めて1年以上が経過している場合は、労働者はいつでも退職を申し出ることができます。
A5.違約金や損害賠償の請求を規定することは、労働基準法で禁止されています。
A6.入社して6ヵ月間勤務し、その勤務日が8割以上あれば、その労働者に10労働日の年次有給休暇を付与する必要があります。その後、1年間勤務し、その期間の出勤日も8割以上あれば、11労働日の年次有給休暇を付与する必要があります。それ以降も有給休暇を付与する必要がありますが、詳しくは下記の表で示します。
勤続 年数 |
6ヵ月 | 1年 6ヵ月 |
2年 6ヵ月 |
3年 6ヵ月 |
4年 6ヵ月 |
5年 6ヵ月 |
6年 6ヵ月以上 |
付与 日数 |
10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
※所定労働日数が少ないパートタイム労働者であっても、その所定労働日数に応じて年次有給休暇をとることができます。詳細はご相談ください。
A7.原則は法定労働時間として、1日8時間、1週間に40時間と定められています。これを超える場合は、法定時間外労働(いわゆる、残業)となります。例外として、変形労働時間制を導入すれば、特定の日や週において、1日8時間以上、1週間に40時間以上労働させることができます(ただし、労働時間を延ばした場合は、1ヶ月や1年単位の平均で、1日8時間、1週間で40時間に収まるように、他の日や週の労働時間を短くする必要があります)。他にも、みなし労働時間制やフレックスタイム制というものがあります。
A8.残業代は3種類あり、「時間外労働」「休日労働」「深夜労働」があります。
・「時間外労働」は、法定労働時間を超えて労働させたときに対象となります。
賃金の上昇率は1.25倍です。
・「休日労働」は、法定休日(1週間に1回、もしくは4週間に4日以上与えること
が定められている休日)に労働させたときに対象となります。賃金の割増率は1.35倍です。
・「深夜労働」は、原則午後10時〜午前5時までの間の労働時間をいいます。
賃金の増加率は1.25倍です。
A9.原則として給料を下げる場合は、従業員との合意が必要です。賃金などの文章で明示するべき労働条件を、合意なしに変更した場合、給料の一部不払いとなり、労働基準法に違反する可能性があります。
A10.出産、結婚、病気、災害などの非常時の場合は、すでに行った労働に対してのみ、給料日前でも給料を支払うよう労働基準法で定められています。これからの予定の労働に対して給料を給料日前でも支払うように求めているものではありません。よって前借りに応じる義務はありません。
A11.仕事が少ないといった会社都合で従業員を休ませる場合は、平均賃金の6割以上の金額を、手当として従業員に支払わなければなりません。会社都合とは、機械が故障して作業ができない、資材不足で作業ができないといったことが該当します。地震や災害などの不可抗力による場合を除きます。
A12.原則として、解雇日の30日前に解雇の予告が必要です。解雇予告なしにすぐ解雇する場合は、平均賃金の30日分の手当を従業員に支払わなければなりません。また、病気による休職や結婚・妊娠・出産などを理由とした解雇は、労働基準法で認められていません。なお、労働契約法では「解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする」と定められているので、従業員を解雇するのには注意が必要です。
A13.常時10人以上の従業員を雇用する場合は、必ず就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署に届けなければなりません。就業規則がなければ、従業員の退職手続きで問題が発生しても対処できなかったり、従業員を懲戒処分することができなかったり、助成金の申請ができないなど、多くのデメリットがあります。常時10人以下の事業所でも、万が一の事態に対応するために、就業規則の作成をオススメします。
A14.仕事中や通勤中のケガや病気などは、労災保険が適用されます。保険料は全額、事業主が負担します。従業員が自己負担する必要はありません。また、労災事故が起こった場合、労働基準監督署にその事故を報告する必要があります。労働基準監督署に事故を報告していなかったり、嘘の報告をしていた場合は、刑事責任を問われる可能性があります。
A15.労働基準監督署は、労働基準法をはじめとした労働に関する各種法律を、事業主が適切に守っているか確認することが仕事の一つです。そのためには、仕事場の常日頃の状態を把握する必要があるので、原則として事前予告なしで立ち入り調査を行っています。
A16.業務中や取引先、飲み会等の場で、性的な言動をして相手を不快にさせるとセクハラに該当する可能性があります。具体的には、性的な事実関係を質問したり、性的な噂を流したり、特定の人物に言い寄ったり、性的関係を強要したり、わいせつ図画を配布・掲示したりすることなどです。
A17.職場内での地位や人間関係の優位性を利用して、特定の従業員に苦痛を与え、職場環境を悪化させると、パワハラに該当する可能性があります。具体的には、暴力や暴言、無視、業務上の過大な要求、プライベートに必要以上に介入するといったことなどです。
A18.育児・介護休業に関しては、就業規則のページに詳細に記載しておりますので、そちらをご覧ください。
参考 『厚生労働省 労働条件に関する総合情報サイト 確かめよう労働条件』
『厚生労働省 これってあり?〜まんが知って役立つ労働法Q&A〜』
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